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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

若き日の黒柳徹子を描いた「トットてれび」は満島ひかりの“隠れた代表作”に

公開日: 更新日:

 黒柳徹子が聞き手を務める対談番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)。始まったのは1976(昭和51)年2月2日だ。2023年には、「同一の司会者によるテレビトーク番組の最多放送回数記録」として3度目のギネス世界記録の認定を受けた。今年は放送開始50年、92歳の現役司会者と世界的長寿番組に拍手だ。

 そして、今からちょうど10年前の2016年5月、黒柳の自伝的エッセーをもとにした土曜ドラマ「トットてれび」(NHK)が放送されていた。それにしてもよく思いついたものだ。若き日の黒柳を、満島ひかりに演じさせようだなんて。

 物語の舞台はテレビ草創期。日本のテレビ放送開始は1953(昭和28)年で、黒柳はNHKの専属女優第1号だ。昭和30年代は、ほぼ毎日出演という怒涛の活躍が続いた。「チロリン村とくるみの木」「ブーフーウー」「若い季節」「夢であいましょう」、特殊撮影技術を駆使した実験作「魔法のじゅうたん」の司会も黒柳だった。

 当時のテレビはドラマも含めてすべてが生放送だ。どんなにリハーサルを重ねても、本番で出演者がセリフを飛ばす(忘れる)ことや、スタッフの見切れ(画面に映り込む)なんて日常茶飯事だった。このドラマの中でナレーターの小泉今日子が言う通り、まさに「ムチャクチャだけど熱い日々」だったのだ。

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