著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。2012年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一ノンフィクション賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。現在、名古屋芸術大学客員教授として文学や漫画理論の講義を担当。

「時代とFUCKした男」加納典明(2)草間彌生さん主導で乱交パーティーが繰り広げられ、俺は…

公開日: 更新日:

写真家・加納典明氏(83)

 小説、ノンフィクションの両ジャンルで活躍する作家・増田俊也氏による新連載がスタートしました。各界レジェンドの一代記をディープなロングインタビューによって届ける口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田「渡米するときに国内では平凡パンチ以外にも何か依頼はありましたか」

加納「うん。あった。『ニューヨークから帰ってきたら加納さん、うちのギャラリーで個展やってよ』って言う人がいて『うん、いいよ。なんか撮ってくるよ』って。平凡パンチの仕事終わってから向こうでヌードやら街の景色やらスナップショットも随分撮った」

増田「そのときに草間彌生さんと会ったんですね」

加納「そうです。石川次郎が『ちょっと変なのがいるんだよ』って。当時、彼女は男根の大きな模型を無数に作って並べたり……ご存じですよね。あの時代です。ニューヨークでパフォーマーをやってた。他にも僕が撮った中にもアンディ・ウォーホル*のパフォーマーとかも写ってるんだけど、当時はニューヨークの芸術の超爆発の時期で、いろいろいた。草間さんはそういう人たちを集めて、例えばセントラルパークとか、街の中でそういうパフォーマンスしてましたね」

※アンディ・ウォーホル:20世紀のアメリカを代表する画家。版画家。芸術家。1928年、スロバキア移民の両親の元でペンシルベニア州に生まれる。カーネギー工科大学卒業後、ニューヨークへ移った。1961年、キャンベルスープの缶や紙幣をモチーフにして描いて大ブレーク、ポップアートの旗手となって世界の美術界を牽引した。

増田「まさに世界の芸術が変わるその瞬間の時ですね」

加納「うん。で、僕もブルックリンブリッジの上とか、セントラルパークとか、普通だったらパーミット(許可)は絶対おりないようなところでヌードを撮りましたね」

増田「ゲリラ撮影ですね」

加納「そう。撮ってはサッと逃げるというやり方で。例えばウォール街なんかじゃ普通、ヌードは撮れないですよね。昼時に交差点の真ん中で、合図とともにモデルに脱がせた。それでバシャバシャ撮って待たせてあるポルシェのオープンカーに飛び乗って逃げたりね。ブルックリンブリッジやエンパイアステートビル。地下鉄でも撮ったし、セスナ機にモデルと一緒に乗ってニューヨークの夜景と一緒にヌード撮るとか。石川次郎なんか相当に苦労したと思う。それもやっぱり日本の雑誌でやった」

増田「そういうときに草間彌生さんと会って、あの伝説的な写真集『FUCK』に行き着くと」

加納「そうです」

増田「『FUCK』の撮影以外で典明さんと草間さんの関係は?」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  1. 6

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  3. 8

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  4. 9

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  5. 10

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意