これまでの治療が効かない「新型副鼻腔炎」とは?
風邪をひいたことがない人はひとりもいないだろう。風邪をきっかけに発症する病気が、慢性副鼻腔炎だ。近年、慢性副鼻腔炎の新しいタイプである好酸球性副鼻腔炎が専門医の間で注目を集めている。どのような病気なのか? 東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科・吉川衛准教授に話を聞いた。
副鼻腔は、頬、目と目の間、おでこなど、鼻の周辺にある空洞だ。ここが風邪やインフルエンザなどのウイルスに感染すると、炎症を起こして腫れあがったり、うみがたまったりする。
それが3カ月以上続き、慢性化したのが慢性副鼻腔炎だ。鼻水、鼻詰まりが主な症状で、悪化すると炎症が広がり、目の周りやおでこが痛くなる。鼻茸(はなたけ)というポリープができて、症状が一層悪化することもある。
「現在のスタンダードな治療は、マクロライド系と呼ばれる抗菌薬の服用。これで副鼻腔の炎症が治まらなければ、内視鏡を鼻の穴に入れ、鼻水やうみ、ポリープなどを取り除く手術が行われます。通常の慢性副鼻腔炎なら、これで完治します」
ところが、手術まで至った患者の一部に、手術をしても再発を繰り返す傾向が見られた。