(1)だるさが抜けない…「熱中症後遺症」のリスク
猛暑を乗り切った後、いよいよ快適な秋を迎えるはずが……「だるさが抜けない」「頭痛が続く」「集中力が落ちた」といった訴えが増えているという。夏の疲れの残りと考えがちだが、実際には深刻なケースもあるというから要注意だ。
近年、こうした症状の背景に「熱中症後遺症」という新たな症状が関係していることが明らかになりつつある。
「熱中症は回復したように見えても、体内では脳神経、心臓、腎臓などの重要臓器が深刻なダメージを受けている場合があります。これにより、熱中症後遺症というべき症状が出ている人が増えています」と、東邦大学名誉教授の東丸貴信医師(東京汐留クリニック勤務)は指摘する。
熱中症後遺症の重症例では、体温上昇により細胞内のタンパク成分が変性し、脳組織が傷つくことで、運動感覚機能や高次認知機能(理解・記憶・判断などを統合する脳機能)に異常が生じるという。秋になって、それまでできていた体の動きに支障がでたり、記憶力の低下や判断力の鈍りなどが表面化することがあるという。
また、心臓血管や肝腎機能が低下し、血液凝固が進むことで脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めることにもつながる。熱中症は「その日のうちに回復するもの」と考えられがちだが、臓器のダメージは数週間から数カ月に及ぶことがあり、それが秋になっても症状が続く原因の一つとなっている。


















