「万策尽きた」という聞こえて…声優のMoeMiさん播種性血管内凝固症候群との闘いを語る
MoeMiさん(声優・シンガーソングライター/37歳)=播種性血管内凝固症候群
今年7月1日の朝4時か5時ごろに救急搬送されました。生存率が50%を切る病気だと知ったのは、ずいぶん後のことですが、手術中に「万策尽きた……」という医師の声を聞いたくらい、危うい事態でした。でも、万策尽きてもなお懸命に処置していただいたからこそ、今こうして元気で仕事復帰できています。
「播種性血管内凝固症候群」は、なんらかのきっかけで血液を固める機能が過剰に働き、全身の細い血管内に小さな血栓が無数に発生してしまう病気です。血液が固まりやすくなる一方で、出血しやすくなって血が止まらなくなるという矛盾した状態に陥るのが特徴で、治療が難しい病気のひとつと言われているそうです。
意識がない中で受けた手術は「放射線血管内治療」です。放射線診断画像を見ながら血管にカテーテルを挿入して、ひとつひとつ止血していく治療だったと聞いています。
1回目の手術をした夜中に発作のようなものが起き、気づいた時には、目が見えて、耳も聞こえるのに体が動かず、言葉が出ない状態でした。「これは何なんだ?」と思っていたら、看護師さんが医師に「ウーウーうなり出しました」と説明していたので、「私はうなっていたのだ」と知りました。でも何も反応できないまま、自分に何が起きているのかもわかりませんでした。ただ、「もしかして命が危ないのかもしれない」という直感が頭をよぎったので、数分後に声が出せるようになったとき、先生に「遺言を残したい」とお願いしました。今となっては笑い話ですけれど、誰に何を残すか、先生のiPadで録音してもらったのです(笑)。
そして2回目の手術が始まりました。1回目と同じ放射線血管内治療です。全身麻酔ではなかったので、先生方の会話が聞こえていました。なかなか血が止まらないようで、ひとりの先生が「万策尽きた……」と言うのが聞こえて、「え?」とビックリしたのは確かです。でも、もうひとりの先生が「いや、まだやります」と続行してくださって、手術台にいながら先生方が頑張ってくださっていることに感謝の思いがあふれました。
翌日目覚めると、視界にはひじきのようなものが飛んでいる飛蚊症状態で、人やモノが何重にも見えました。実家の名古屋から母親が駆けつけてくれましたが、数日は意識が朦朧としていました。
3日間は飲まず食わず。でも、2.3リットルの大量輸血と点滴で体重は8キロも増えていました。自分の手がベイマックスみたいにブクブクにむくんでいるのを見て、がくぜんとしました。でも、その後の3日間で風船がしぼむように水が抜けてすぐに8キロ減りました。
意識がちゃんと戻ると至るところが痛くて、体が重くてだるかったです。食欲もなく、肺に水がたまって咳が出て、炎症による高熱が出るなど、いろいろなことが起こりました。
フラつきながらも立てたのは1週間後。ちゃんと歩けるまでにはさらに2週間ほどかかりました。退院したのは7月末です。
急な入院だったので、多方面に大変なご迷惑をおかけしました。退院後の仕事でもたくさん配慮していただいて、関係者のみなさまに支えてもらいました。


















