31%が従業員10人未満…貸し切りバス会社“驚愕の実態”
乗客15人が死亡したスキーバス転落事故で、バスを運行していたイーエスピーのズサンな管理体制が次々と判明している。運行ルートを示す「運行指示書」はなく、道路運送法で禁じている4時間以上の連続運転を強要するなど、安全面での違反が目立った。
今回の事故を受け、東京商工リサーチは「一般貸切旅客自動車運送業」の動向調査を実施。平たくいえば、「貸し切りバス会社」の実態だ。
その結果に愕然とする。全国で貸し切りバスを手掛けているのは2910社で、従業員数が判明したのは2229社。その約6割にあたる1392社は、従業員30人未満の中小・零細企業だった。
「従業員10人未満も31%でした。売上高を見ると、10億円未満が約9割です。零細の多い業界であるのは確かです」(東京商工リサーチ情報本部の原田三寛氏)
事故を起こしたイーエスピーは、警備とバス事業の兼業だが、貸し切りバス専業となると、企業規模は一段と小さくなる。従業員10人未満が全体の4割を超え、売上高10億円未満は95%に達する。