マギー司郎さん「手品での一番の失敗はギロチンかな。お客さんの手が引っかかってね…」

公開日: 更新日:

マギー司郎さん(手品師/79歳)

 茨城弁のとつとつとした語り口で笑い、ユーモアある手品、マジックの第一人者として知られるマギー司郎さん。ご本人いわく「苦し紛れ」でやった手品も多かったというだけに失敗談あり、傑作ありのステージはユニークそのもの。人生の節目の秀逸なエピソードも爆笑ものだ。

■新聞紙に水を入れてもこぼれないはずが?

 手品をやっていて失敗したことはいっぱいありますよ(笑)。

 一番はね、松竹演芸場でやったギロチン。キュウリとか大根と、お客さんにも手を穴に入れてもらい、ワン・ツー・スリーでギロチンを下ろすと、キュウリと大根だけスパッと切れる……、はずなんだけど。お客さんの手がギロチンに引っかかっちゃったの。詳しくは言わないけどね、安くてキレイに磨いていないギロチンを使ったのがいけなかったみたい。

 それでお客さんの手が血だらけになっちゃってね。そんなこと、想定していないし、どうしていいかわからないでしょ。「大丈夫ですか」という言葉しか出てこないのね。そういう時は不思議なもんでね、お客さんもなぜか、「大丈夫です」って言うのね。道で転んだ人に「大丈夫ですか」と聞くと、反射的に「大丈夫です」って言うみたいな。あれです。

 お客さんには血を止めるためにハンカチを手に巻いて客席に戻ってもらったけど。ケガして終わりなんていう手品ないけど、でも、どうしようもないもんね。

 新聞紙に水を入れてもこぼれないヤツがあるでしょ。あれはタネを言えば、中にビニールの袋が張ってあってうまくできているの。こぼれないようになっている。ところが、何回もやっているうちに、ビニールがペロペロになって、新聞に水が入っちゃったの。失敗ですよね(笑)。

NHKから逃げて帰った出禁事件

 テレビに出た時の一番の失敗。今でも覚えてますよ。正月にNHKの生放送に出た時。場所は末広亭。寄席は出入り口が狭いんですよね。マジックの道具を載せるテーブルに三脚がついてるじゃないですか。弟子に「気をつけて」と言っていたのに、案の定、脚をどこかに引っかけて2番目にやるネタのコップの水をこぼしちゃったの。コップの水がミルクになるってネタですけど、こぼしちゃ、できないよね。

 それで慌てて。それがいけなかった。時間を間違えちゃったの。ディレクターが打ち合わせの時に、残り何分か時間を出しますからねと言ってたから、カメラの脇を見てたんだけど、いくら見てても出てこない。どうしたんだろうと思いながら、指とか使ってどうでもいいマジックで時間稼ぎしていました。

 実は時間はスタンドマイクの足元に出てたんだよね。そのうち楽屋が騒がしくなって、気がついた時は3、4分も延びていた。でも、カメラの脇と思っているから足元なんか見ないから、わかんないよね。

 僕はトリ前でトリは雷門助六師匠でした。寄席のメインは落語家ですからね。その時間が半分くらいになっちゃった。師匠の落語が途中で終わって、しまいのテロップが流れて。あの時は怒られると思ったし、本当にヤバかった。ステージを下りて即行で逃げて帰りました。どうしていいかわからないもん。ディレクターに何言われるかと思ったら怖くて怖くて。案の定、それからしばらくはNHKに呼ばれませんでした(笑)。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る