貧困が招く主食の「重ね食べ」の健康リスク…糖質中毒につながる
このところの米、野菜、魚、肉といった生鮮食品や加工食品の高騰で庶民の暮らしは苦しくなるばかり。そこで注意したいのが主食の「重ね食べ」だ。昔から安い食費でお腹を満たすための庶民の知恵で、ラーメンとライス、うどんにいなりずし、お好み焼きにごはん、などはその代表。たまにならいいが、常態化すると糖質中毒から肥満、糖尿病を招く。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。
「今後、心配なのは安い食材でお腹を満たそうとする人が増えていくことです。そういう人に多いのが主食の重ね食べです。お米の値上がりが話題ですが、お米は野菜や肉、魚に比べて1食あたりの値段はまだ安い。そのためラーメンにチャーハン、お好み焼きにごはん、うどんにいなりずし、サンドイッチにおにぎりといった主食の重ね食べは根強い人気で、今後さらに増えそうです。しかし、この食べ方は血糖値を急上昇させます」
讃岐うどんが有名な香川県は、2023年の人口動態統計によると、人口10万人あたりの糖尿病の死亡者率は18.5人で全国5位、2020年の患者調査による糖尿病受診率は人口10万人あたり247人で全国4位と糖尿病患者の数が多いことで知られている。