現職が任期残しアッサリ辞職 ジバン軽視の「現金」な理由
日本で政治家になるにはジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)の「三バン」が重要だと言われる。
しかし、NHKから国民を守る党(N国)の候補たちは、簡単に「ジバン」を変える。資金を意味する「カバン」も供託金とチラシ代以外はほぼ使わない。「NHK」というブランドを内包する「カンバン」の威力が絶大なのだ。
N国が「ジバン」を軽視しているのは、選挙戦略を見れば分かる。代表を務める立花孝志氏(51)自身、次々と地盤を変えているからだ。
立花氏がN国をつくったのは2013年6月。最初の選挙は同年9月の大阪府摂津市議選で、引っ越しは選挙の3カ月前だった(317票で落選)。14年2月23日の東京都町田市議選も3カ月前に引っ越し。これも1589票で落選。3度目の選挙が15年4月26日の千葉県船橋市議選だ。
「党の人間が14年11月の松戸市議選に立候補し、結構いい票を取った。僕なら事前の政治活動をすれば、いけると思ったんです」(立花氏)
この時は選挙5カ月前に船橋市に転居。事前の政治活動も行い、2622.939票で初当選を果たした。この落下傘での成功体験がN国の選挙戦略の背骨になっている。