著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

5.15事件で軍人は「問答無用、撃て」と犬養毅を射殺した

公開日: 更新日:
犬養毅は「まあ急くな」と手で制した(日本電報通信社撮影)

 昭和7(1932)年5月15日は日曜日であった。東京・永田町の首相官邸に海軍の軍服をまとった5、6人の海軍軍人、それに陸軍士官らが車で乗りつけた。率いているのは海軍士官の三上卓、黒岩勇らで、彼らは官邸の警護にあたる警察官に犬養毅首相との面会を求めた。警察官が身元を確かめるとすぐ… 

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