「マイル修行僧」がはびこる離島への“ピストン旅”にどれだけの品位があるというのか?
「よっしゃ、これで解脱だ!」
沖縄の離島空港で独りガッツポーズするオヤジたち。周囲の視線を一切感じておらず、そこには狂気じみた達成感だけが漂う。
彼らは旅を楽しむ「観光客」などではない。航空会社の永久ステータスという称号を追い求める「マイル修行僧」なのである。
目的は、一度達成すれば一生ラウンジが無料となり、優先搭乗ができる「上級会員」の資格。「今、数十万円を投資すれば一生の特権が買える」という浅ましい合理性に取りつかれた人たちだ。
なぜ不便な離島をシャトルバスのように往復するのか。そこには安価な路線を狙い撃ちにする、独自の「歪んだ費用対効果」の計算式がある。
航空会社の判定基準には「搭乗回数」を重視する区分がある。修行僧が目をつけたのはそこだ。那覇を拠点に久米島や多良間島といった離島路線を1日に何往復もする。運賃の安い小型機に“ピストン輸送”されることで、最も安く、速く、称号へ近づけるというわけである。

















