<中>5億円の塩漬け離島購入を官邸につないだキーマン激白
立石建設(立石勲社長=東京都)が、1995年に約5億円で買った馬毛島(鹿児島県西之表市)。子会社のタストン・エアポート社に所有権を移し長年、塩漬けになっていた離島だが、2019年12月、菅義偉官房長官(当時)は防衛省が160億円で購入すると突如発表。「スガ案件だ」「加藤勝信(現官房長官)の口利きだ」と取り沙汰された。実は売買合意までの約2年間、立石氏、防衛省、官邸をつないだ人物が存在した。自民党の衆院議員、原田義昭前環境大臣だ。
原田は2年前、九州の知人から紹介され、立石勲氏と議員会館の事務所で初めて会ったという。
「当時は立石さんと防衛省はお互いににらみ合って行き詰まっていました。それで防衛省と連絡をとれないかと相談されました。馬毛島のゴタゴタは知っていましたし、地政学的にとても重要なポイント。安全保障上、きちっとやらないといけないと思いました」
その後、勲氏の会社にも訪問し週一で相談する関係に。勲氏は借金まみれで民事裁判を複数抱え、馬毛島にも抵当権が。原田は法律事務所を経営する弁護士でもあり、法に明るかった。