<上>スガ案件の馬毛島基地建設めぐり…1.31市長選が激化

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 1月24日告示、31日投開票の鹿児島県西之表市(人口約1万5000人)の市長選と市議会選挙は要注目だ。鉄砲伝来とロケット打ち上げで知られる種子島(西之表市、中種子町、南種子町)地域に今度は米軍と自衛隊の戦闘機が飛ぼうとしている。西之表市の馬毛島で米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)に伴う自衛隊基地建設を政府が推進しているからだ。

 受け入れ派が市長になれば南西諸島の自衛隊基地配備もいよいよ揃い踏む。沖縄本島の基地化は周知の事実だが、南西諸島と呼ばれる九州・沖縄地方の離島では、与那国、石垣、宮古、奄美大島と弧を描くように自衛隊配備が急ピッチで進む。今回の馬毛島と種子島の基地化で総仕上げとなる。

 種子島からわずか12キロ沖に位置する馬毛島は長年、事件屋も触手を伸ばすいわくつきの島だった。ところが2019年11月、防衛省は所有者から160億円もの高額で売買合意。「スガ(菅義偉官房長官=当時)案件」とも報じられた。これを機に種子島では数千億円と噂される基地利権を期待するムードが加速している。

 戦後初とも言える政治状況の中で迎える市長選。予定候補者は2人。反対派は現職の八板俊輔(67)。朝日新聞記者出身で「馬毛島の利活用と基地に依存しない経済」を訴える。市民の反対署名6000筆を集めた馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会(三宅公人会長)と政策協定も結ぶ。

経済効果期待の“賛成派”を業界団体全面支援

 一方、賛成派は当初、自民系の濱上幸十(69)と福井清信(71)が名乗りを上げた。元市議の濱上は前回の市長選では惜敗。年末、市内の事務所で話を聞くと「馬毛島の工事が始まると数千億円の金が投入される。1兆円という話もある。3000人から5000人の建設作業員も採用される。種子島に造られる自衛隊官舎に200世帯入ると言われ、中種子町はすでに受け入れ表明をしている」と積極的だった。

 しかしクリーニング店を経営する商工会会長の福井が立候補。商工会、農協、漁協、建設業団体など市内有力業界団体が支援する。自衛隊官舎を誘致したいという福井は「米軍再編交付金も10年以上もらえるよう交渉する」と経済効果を期待する。福井からの一本化要請は拒否した濱上だったが、今月に入って、自民党の森山裕国対委員長が説得しに入島することを知り出馬を断念。基地建設をめぐり選挙は激しさを増している。 =つづく

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