ウイグル人権問題で内部文書流出 中国幹部「数歩でも逃げようとしたら射殺しろ」
中国・新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族への人権侵害問題に関し、2017年に自治区トップ陳全国・党委員会書記(当時)が「(収容所から)数歩でも逃げようとした者は射殺せよ」と演説していたほか、収容所内で拘束具を使った拷問が行われている実態が、公安当局から流出した数万点に及ぶ資料で明らかになった。
■習主席関与も暴露
資料はドイツ人研究者のアドリアン・ゼンツ氏が匿名の情報源から入手し、英BBCや独シュピーゲル、日本の毎日新聞など世界14のメディアが協力して検証作業を行い、一斉に報じた。
趙克志公安相が、18年に新疆を視察した際に「習近平主席が200万人収容という目標を達成するために施設建設資金を増額した」と演説していたことも明らかになった。
ゼンツ氏は、ロシアのプーチン大統領を引き合いに出しながら「ウイグルでの人権問題に習主席は直接関与していたことを示しており、ある種の『政治的パラノイア(偏執病)』が見えてくる」と語っている。