出雲駅伝でドーピング違反が判明…大学駅伝界に忍び寄る禁止薬物の影に「箱根」が呑まれる日

公開日: 更新日:

「今回発覚したのは出雲駅伝ですが、異常な人気ともいえる箱根駅伝を走るか、走れないかは、選手の将来に多大な影響を及ぼす。記録がいい選手なら旭化成、トヨタ、富士通、ホンダといった一流企業へ進める。今年、青学大の優勝に大きく貢献した太田(蒼生=3年)君は、プロランナーを目指していると聞いたが、スポンサーに手を挙げる企業はたくさんあるでしょう。陸上は大学で終わりと決めている選手も、箱根は是が非でも走りたいが、本戦に出られるのは1大会にわずか10人。チーム内の競争に勝たなければなりません。日頃の練習で持久力が向上するような薬物に手を伸ばす選手が出てきても不思議ではない。箱根にはそれだけの魔力がある」

 昨年は日大アメフト部で大麻と覚せい剤使用が発覚し、東農大ボクシング部員も大麻を使い、複数の逮捕者が出た。4年前には東海大硬式野球部と日大ラグビー部員の大麻使用もあった。

 大麻や覚醒剤と長距離ランナーが記録欲しさに使うクスリは別物とはいえ、若者の禁止薬物に対する抵抗感が低くなっている現状を大学の指導者たちは懸念している。

 正月の風物詩となっている箱根駅伝に黒歴史が刻まれる日は来るのか。

 ◇  ◇  ◇

【関連記事】
「箱根駅伝7回総合優勝なのに…青学大OBからマラソン日本代表ゼロのワケ」も陸上ファンなら必読だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった