「ブラック ボランティア」本間龍著
2年後の東京五輪では、運営に11万人以上の無償ボランティアが予定されている。一方で、組織委員会は50社のスポンサーから4000億円以上(非公表)の協賛金を集めているといわれている。この巨大な商業イベントが、ボランティアをタダで「使う」ことを前提としているのはなぜか。五輪という美名のもとに隠された、労働搾取の構造を読み解くリポート。
ボランティア活動とは、自発性・非営利性・公共性が中核的特徴で、スポンサーの利益を至上主義とする東京五輪は、その定義から外れることは明白だと指摘。誰もが頭をひねる酷暑期の大会開催の背景などにも迫りながら、大手メディアもスポンサーとなっていたために報道されない五輪利権の構造を暴く警世の書。
(KADOKAWA 800円+税)