やらせ映画「ガレキとラジオ」を一喝した役所広司の気骨

公開日: 更新日:

「今後二度と上映されるべきものではありません」――。俳優自らストレートな怒りをブチまけるのは、異例中の異例。それだけ、役所広司(58)にとって許し難い行為だったのだろう。

 ナレーションを担当した映画「ガレキとラジオ」にヤラセが発覚。朝日新聞朝刊(5日付)が報じたもので、自身のブログで「この映画作りに参加した人間として、とても悲しく思います」「この『ヤラセ』の部分の演出を知っていて作品を完成させた制作側に、大きな責任がある」などと700文字超の悲痛と批判をアップしたのだ。

 3・11で被災した宮城県南三陸町で開設する災害ラジオ局の様子に迫った作品。博報堂が企画制作し、地元住民が出演していたが、電波圏外エリアの仮設住宅で暮らす70代女性に対し、制作側が同局のリスナーのふりをしてくれと、“演出”を無理強いしたという。それでも「ドキュメンタリー映画」をうたって上映。完全にアウトだし、役所の怒りも当然だろう。

「役所さんは演技に対する気骨と正義感を併せ持つ俳優。今回の企画も意気に感じたからこそボランティアで参加したのでしょう。苦言も無理はない」とは、コラムニストの桧山珠美氏。こう続ける。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒