やらせ映画「ガレキとラジオ」を一喝した役所広司の気骨

公開日: 更新日:

「無名塾出身で、主宰の仲代達矢さんの薫陶を受けたからでしょう。10年の映画『最後の忠臣蔵』の公開に先がけ、インタビューした際も誠実な対応が印象的でした。何十件も同じような取材を受ける中で、嫌な顔ひとつ見せなかった。時間が過ぎても話を中断せず、最後まで丁寧に受け答えしてくれました。世間的にはまだ無名俳優のご子息についてもあれこれ口添えすることなく、一人の俳優として見守るスタンスを貫いている。演技に対してはシビアで強い情熱を抱いているのだと感じました」

■「やってはならない演出で全てが無になってしまった」

 同作は今月から各地でチャリティー上映会を開催。主催者の多くが、今回のヤラセ発覚で上映中止を余儀なくされた。

 都内で11日に上映会の開催を予定していた三井住友海上火災保険は、「出演者の気持ちを考えると、上映するわけにはいかない。すでに200人近くの観賞の申し込みがあり、急きょ、南三陸町を取り上げた他のドキュメンタリー映画を購入しました」(同社担当者)。

 役所は、「やってはならない演出で全てが無になってしまいました」ともつづった。被災者の心情をもてあそんだに等しい今回の騒動。役所の無念が痛いほど伝わってくる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方