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鈴木 敏夫

山田洋次監督率いる「山田組」スタッフの記録係。1970年に松竹入社。「男はつらいよ望郷篇」「釣りバカ日誌」シリーズの助監督を務める一方、「サラリーマン専科」シリーズ等の脚本も執筆。96年には松竹シナリオ研究所所長に就き、06年の退社以降、山田組に復帰している。

<第4回>蒼井優が語る山田組の厳しさ「もう呼ばれないかと」

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鈴木 というと?

蒼井 これまでの現場では語尾を確実に捨てながらしゃべってきたけれど、山田さんが求めるのはそれとは真逆で語尾を大切にすること。今でもよく覚えているのが、「おとうと」の顔合わせで本読みをした時、山田さんは最初に「読み合わせは素読みでいいです。感情を乗せずにやりましょう」と。で、冒頭が私のナレーションだったので指示通りに素読みしたら、2行目で止められた。「優さん、あのね、一単語一単語に感情を乗っけないと。その情景が目に浮かばないといけません」って。エ~ッ、今さっきいいって言ったばかりじゃんって(苦笑い)。

鈴木 30秒前に素読みでいいと指示した本人がね、平気でくつがえしちゃう。山田洋次はそういう監督だからね。それが日常茶飯事。それに右往左往しているようでは山田組は務まらないからね。

蒼井 常に時間が進んでいるから指示されたことに執着していたら山田さんのスピードにはとてもじゃないけれど追いついていけない。山田組って捨てていく作業が必要なんです。情報の処理の仕方がまるで違う。今言われたことに反応してその都度アップデートしていくことが求められる。いつもの癖で過去と今の情報を自分の中で咀嚼して中間を探って結果を出すようにしていたんだけれど、それじゃダメ。でも「おとうと」の撮影では慣れないまま終わってしまったので、もう山田組に呼ばれることはないだろうなって思ってました。

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