<第2回>耳に焼き付いているのは海女だったおふくろの磯笛
語り 弟・山川豊
ピーッ、ピーッ。波音の向こうで、おふくろの磯笛が響いてくる。どこかホッとして、子守歌のように、黙って耳を傾けていた気がする。海の波に合わせて揺れる、小舟のゆりかごで。
僕たちの故郷、三重県鳥羽市石鏡町があるのは伊勢湾の海沿いの小さな町。道路は隣のその隣町で寸断し、伊勢志…
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