<1>打ち止めが見えていたSMAPと解散発表で火がついたファンの反応
SMAP解散が芸能界を超え、社会問題のように扱われているが、実は昨年1月からの独立・分裂騒動よりはるか前に終わっていた。それはメンバー同士の結束とか人間関係といった意味ではない。アイドルグループとして、打ち止めが見えていたのだ。
■番組改編期ごとに飛び交った「スマスマ打ち切り説」
それが如実に表れていたのが、メンバー5人での長寿バラエティー「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)の低迷である。1996年4月15日のスタート以来、30%超えの高視聴率を頻繁に叩き出していた勢いはなく、ここ数年は20%はおろか10%を下回ることも珍しくなかった。視聴率はもちろん、テレビ局として低迷中のフジテレビ内でさえ、番組改編期ごとに打ち切り説が飛び交った。
テレビと戦後日本の推移を研究する社会学者で、新著「SMAPと平成ニッポン」のある太田省一氏が言う。
「『スマスマ』は日本のバラエティー番組の王道で、1960年代のテレビ草創期にオンエアされたNHK『夢であいましょう』や日本テレビ『シャボン玉ホリデー』の時代に確立されたフォーマットを受け継いでいます。歌ありコントあり、トークにゲームなどがバランスよく配置され、広くお茶の間に親しまれたスタイルです。『スマスマ』の場合、そこにメンバーの脱退や不祥事に絡んだドキュメンタリー性を加味して、独特のスタイルを生み出していたのですけれども、打ち切り説が出るほどの視聴率の低迷があった背景には、SMAPの人気うんぬんだけじゃない、もっと大きな時代の流れや転換がある。それはテレビが、もっと言うと民放の番組がかつてほど大衆娯楽の王様ではなくなっているということ。SMAPとは、他ならぬそのテレビを本拠地として活躍してきたアイドルグループなのです」