薬丸岳
著者のコラム一覧
薬丸岳

1969年、兵庫県生まれ。05年「天使のナイフ」で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。16年「Aではない君と」で吉川英治文学新人賞を受賞。

連載小説<1> 錦糸警察署からすぐ来いと電話が…

公開日:  更新日:

 トイレを出て部屋に向かっていると、壁越しにスマホの着信音が聞こえた。
 ホー・ヴァン・クエットは慌ててドアにかけたダイヤル式の南京錠を外し、部屋に入った。すぐにテーブルの上に置いたスマホをつかむ。登録していない番号からの着信だ。
「はい、もしもし……」クエットは電話に出た。
「ケイシチョウのスギハラと申しますが、ホー・ヴァン・クエットさんの電話でよろしいでしょうか」
 男性の声が聞こえたが、ケイシチョウという言葉が頭の中で変換できない。
 自分の電話であることは間違いないので、とりあえず「はい、そうです」と答えた。
「ケイサツツウヤクニンの登録をされていますよね」
 相手の言ったケイサツツウヤクニンという言葉を頭の中で何度か唱える。警察通訳人と変換でき、ようやく相手の素性と用件を理解した。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の芸能記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    長野以外にGベテランリスト漏れ 広島“ポロリ発言”の波紋

  2. 2

    巨人ナインに深刻“長野ロス”…超気配り男の逸話伝説も数々

  3. 3

    裏交渉も暴露され…ロシア人も哀れむ安倍政権“土下座”外交

  4. 4

    自公3分の2圧勝シナリオ 1.28通常国会“冒頭解散説”急浮上

  5. 5

    海老蔵は“秒読み”? 没イチ男性が死別再婚する時の注意点

  6. 6

    仏当局捜査“飛び火”か 五輪裏金疑惑で日本政界が戦々恐々

  7. 7

    経団連会長が転換 「原発どんどん再稼働」に飛び交う憶測

  8. 8

    また生え抜き看板…巨人“大チョンボ”長野流出の真相と波紋

  9. 9

    アニキが勧誘も…前広島・新井が「阪神コーチ」断っていた

  10. 10

    初登場G球場で“孤独トレ” 丸は巨人で「我」を貫けるのか

もっと見る