新海誠監督がハードル上げた アニメ描写が緻密になるワケ

公開日: 更新日:

 来月25日から始まる東京国際映画祭で、新海誠監督のアニメーション作品を一挙上映するイベントが開催される。昨年の「君の名は。」で、邦画の興行収入歴代2位を記録。それだけに注目が集まっているが、「新海監督に限らず、最近のアニメって描写が緻密すぎて脳が疲れるんです。長時間は見られない」(アニメ雑誌編集者)なんて声も。

 確かに「君の名は。」の背景描写は「本物より美しい」と話題になった。それで脳が疲れるなんてことはあるのか。

「緻密ということは、視覚的な情報量が多いわけで、脳が処理する情報量が増えれば、疲れるのは当然です。ふだん見慣れた現実の風景は、視覚情報も省略して処理されます。見ているようで見ていなかったりしますが、アニメはどんなに写実的でも現実とは違う。どこか違和感があるせいで、すべての情報を処理しようとする。実写より、緻密なアニメやCGが疲れるのは、そのせいでしょうね」(神経内科医)

 それなのに、なぜ、最近のアニメは緻密さばかり求めるのか。

「それこそ、新海監督の10年前の作品『秒速5センチメートル』から一気にハードルが上がりました」と話すのは、映画批評家の前田有一氏だ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」