“卒業生”作品で話題に「ジェネリックジブリ」って何だ?

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 アニメ映画「メアリと魔女の花」は、監督の米林宏昌氏がスタジオジブリを退社後に初めて手掛けた作品。ジブリ時代には、「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」などの原画を担当。「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」ではメガホンを取った。

 プロデューサーも“ジブリ卒業生”で、「ジェネリックジブリ」といわれることも。ジブリっぽいけど、ジブリではない後発作品という皮肉な表現らしい。なぜそう呼ばれるのか。映画ライターの斎藤香氏に聞いた。

「まず、米林監督の前作『思い出のマーニー』が良くて、本作は期待していたのですが、正直マーニーほどの感動はありませんでした。マーニーには、宮崎駿監督(写真)が描かない世界がありました。画風はジブリでも、描く世界が違った。ジブリの色を持ちつつも、宮崎駿ではない次世代が出てきたと思えたんです」

 米林監督は2年前に独立。自ら設立したスタジオポノックで本作をリリースした。

「本作は、まだ足腰が弱い新スタジオで製作した最初の作品。成功させて波に乗りたいという思いと、オリジナリティーを出していきたいという思いのせめぎ合いがあったのではないでしょうか。しかも東宝配給で、スポンサーもつき、アニメの大作的な扱いになり、CMも大々的に展開。こうした経緯からも、ジブリらしさを求められたのではないでしょうか。ただ、米林監督は宮崎監督ほどアクの強い作風ではなく、ジブリに寄せた結果、米林監督本来の魅力が薄まり、“ジェネリックジブリ”になってしまったのではないでしょうか」

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