映画宣伝の常識変えた 「この世界の片隅に」ヒットの背景

公開日: 更新日:

 アニメ映画「この世界の片隅に」の勢いが止まらない。4日までの興行収入は3億5000万円で、観客動員数は32万人を突破。11月12日の公開時は63館だった上映館数も88館に広がり、今後さらに拡大する見込みだという。ミニシアター系の映画としては、異例のヒットとなっている。

 戦時中に広島・呉に嫁いだ18歳の主人公・すずの日常を描いた同作には、専門家からも最大級の賛辞が相次いでいる。映画評論家の町山智浩氏はラジオで、同作を“町山大賞”とした上で「本当に素晴らしい映画」と絶賛。ラジオパーソナリティーのライムスター宇多丸氏も「5000億点。日本映画史に残る大傑作」とべた褒めだ。

■SNS時代を象徴

 3日に発表された「ヨコハマ映画祭」では、今年大ヒットした「シン・ゴジラ」や「君の名は。」などを抑え、作品賞を受賞している。しかし、不思議なのは、これほど評判な映画にもかかわらず、地上波テレビなど大手メディアがほとんど取り上げないことだ。

 おそらく、主人公・すずの声を担当したのん(23)が、影響しているのは間違いないだろう。もともと、のんは「能年玲奈」の名で活動していたが、所属事務所からの独立騒動で露出が激減。改名した上で、出直しを図っているが、民放などは所属事務所に気を使って“腫れモノ”扱いしているのである。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー