竜星涼の愛のカタチ「足りないものを補い惹かれ合う必然」

公開日: 更新日:

 確かな演技力と端正な顔立ちで人気沸騰中の俳優・竜星涼さん(27)。4日公開の映画「リスタートはただいまのあとで」(キャンター配給)では、ダブル主演の古川雄輝(32)と次第に惹かれあっていく熊井大和役を演じている。

  ◇  ◇  ◇

 2020年は、「テセウスの船」(TBS系)、三谷幸喜作・演出の舞台「大地」、主演映画「ぐらんぶる」が公開中など引っ張りだこだが、BL作品に出演するのは今作が初めてだ。

「同性愛がテーマの海外作品は好きでよく見ます。世界観の繊細さと俳優が魅力的。せっかくチャンスをいただいたので、果敢に攻めたいと一歩踏み出しました。大和も、古川さんが演じた光臣も、もとから同性が好きなのではありません。生活をともにする中でお互いに足りないものを補い、惹かれ合うのは必然なこと。恋仲に限った話ではないと思います。僕は性別などの“枠”にこだわるのではなく、純粋かつ単純に人と人が引かれ合う過程を伝えたいと思いながら演じました」

 ――性別を超えた愛への認識は変わった?

「僕自身は女性の方が好きですが、だからこそ大和の戸惑いが分かったし、男性を好きになることは決して別世界の話ではないと気づかされもしました。これまでも理解しているつもりでしたが、知識より感情、頭で考えるというより、“あり得るな”という感覚になりました」

 ――大和は、光臣から「なれなれしくてウザイやつ」と思われるほど人との距離感が近いキャラクターだ。

「僕も基本的には“フルオープン”な性格で、誰とでも仲良くしたいタイプです。大和の距離感の近さは生い立ちが少なからず影響していますが、無意識なもの。愛情を真っすぐに欲していて、それが行動に出ています」

「俳優としては理論派じゃないとダメ」

 ――感覚で動くタイプというわけですね。自身は?

「感覚派ですが、俳優としては理論派じゃないとダメだと思っています。見ている人に役の思想を伝えることが僕らの仕事。役作りは明確な答えを示しながら目的に向かう作業の積み重ねですが、それって、論理的でないとなかなか達成できない。自分の生活の全てを観察し、学びながらイマジネーションを膨らませる努力が不可欠でもある。感情派の僕はそういうのが苦手なので、苦労してます(笑)」

 ――純愛BLから結婚観まで描かれますが、結婚願望は?

「いつかしたいとは思っていますが、“自由人”なのであまり向いてないかもしれません(笑)。理解し合いつつ、自由奔放で自分勝手なところも受け入れてくれる方に出会えたら、運命の出会いかもしれません!」

(聞き手=白井杏奈/日刊ゲンダイ

▽りゅうせい・りょう 1993年、東京都出身。テレビ朝日系「獣電戦隊キョウリュウジャー」(13年)で初主演に抜擢。「Yohji Yamamoto HOMME2016-2017AW Paris Collection」でパリ・コレクションデビュー。映画「トイ・ストーリー4」(19年)でフォーキーの声を担当。主なドラマ出演作にNHK「ひよっこ」(17年)、TBS系「アンナチュラル」(18年)、 NHK「昭和元禄落語心中」(同)、日本テレビ系「同期のサクラ」(19年)。俳優・モデル・声優などマルチに活躍。

映画『リスタートはただいまのあとで』

映画『リスタートはただいまのあとで』
9月4日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国順次公開

古川雄輝 竜星涼
村川絵梨 佐野岳 / 中島ひろ子 螢雪次朗 甲本雅裕

監督:井上竜太
原作:ココミ著書「リスタートはただいまのあとで」(プランタン出版刊)
配給:キャンター

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  3. 3

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  4. 4

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  5. 5

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  1. 6

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  2. 7

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  3. 8

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  4. 9

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  5. 10

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  3. 3

    佳子さま31歳の誕生日直前に飛び出した“婚約報道” 結婚を巡る「葛藤」の中身

  4. 4

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

  5. 5

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  1. 6

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  2. 7

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  3. 8

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  4. 9

    「嵐」紅白出演ナシ&“解散ライブに暗雲”でもビクともしない「余裕のメンバー」はこの人だ!

  5. 10

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢