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細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<12>山口洋子からの突然の電話「三谷謙君の曲を一緒に作らない?」

公開日: 更新日:

「あなたはプロだと聞きましたが、どこの会社ですか」

「はい、ミノルフォンです」

「お名前は?」

「三谷謙といいます」

「そう、頑張ってね」

 文字に起こすと、すげないやりとりでしかないが、その際、三谷謙は一枚のメモ書きを山口洋子に手渡したという。

「このときに五木君(三谷謙)は僕の自宅の電話番号の紙を洋子ちゃんに渡したみたいなんだ」(平尾昌晃

 とすれば、おそらく彼は「山口先生と平尾先生で僕の曲を作ってほしいんです」とでも言ったのだろう。

 数日後のことである。夜遅くに平尾の自宅の電話が鳴った。「こんな時間に誰だ?」と受話器を取ると、山口洋子からだった。

「遅くにごめんね」

「どうしたの?」

「うん、ちょっとね」

 平尾は不思議に思った。山口洋子に電話番号を教えた覚えがなかったからだ。すると彼女は意外なことを口にした。

「ねえ、三谷謙君って知ってるでしょ。彼の曲を一緒に作らない?」(つづく)

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