繰り広げられる“弱者叩き”の背景を考察「曖昧な弱者の時代」伊藤昌亮著

公開日: 更新日:

「曖昧な弱者の時代」伊藤昌亮著

 コロナ禍で時短協力金を得た飲食店をはじめ、生活保護受給者や非課税世帯、さらに女性や外国人など、社会的に公認された「明白な弱者」だけが特別扱いされるのは不公平だ、「自分だってつらい」と訴える「曖昧な弱者」が憤怒を抱き、明白な弱者に敵意を向ける。その結果、「弱者叩き」が繰り広げられ、本来は支援の対象であるはずの「明白な弱者」が誹謗の対象にされてしまう。「曖昧な弱者」には悪いことをしているという意識はない。なぜなら弱者叩きの背後では、「自分だってつらい」し、さらには「自分のほうがつらい」と、自らの弱さを競い合う「弱者争い」が繰り広げられているからだ。それが弱者叩きを正当化する根拠となっている。

 2020年代の社会と政治の状況を読み解きながら、この「曖昧な弱者の時代」を考察した時評。(岩波書店 1012円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    スマスロ『からくりサーカス2』にユーザーから厳しい評価 射幸性高い人気シリーズが直面する「2作目のジンクス」

  2. 2

    安青錦3度目Vはアッパレだが、私の大の里への評価は甘かった。両横綱よ「13勝の壁」を破ってみせよ

  3. 3

    東証で新たな動き…1月~7月までに上場廃止を選択する企業が過去最多のナゼ

  4. 4

    矢沢永吉が秋ツアーで"また"歴史を変える!「長者番付1位」と驚きの成り上がり秘話

  5. 5

    真夏の珍事? 共産党が“野党第1党”に大躍進したワケ…潜在読者掘り起こした電子版「赤旗日曜版」

  1. 6

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  2. 7

    中京大中京から享栄へ、大藤監督が明かす“異例の転身”の真相

  3. 8

    巨人ドラ1候補に花巻東・古城大翔が急浮上! 父はG戦士「振り向けば古城」、岡本和真の後釜育成急務

  4. 9

    9月党人事を前に深まる鈴木幹事長とのミゾ…支持率急落の高市政権「裏金軍団復権」の時限爆弾

  5. 10

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ