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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<143>早貴被告の近影を狙って…前日に田辺入りし、一周忌法要の会場を下見

公開日: 更新日:

 私が警察だったら事件解明の突破口にできる事案になると考えたのだろうが、ドン・ファン殺害という本丸の証拠をある程度固めないと別件で逮捕という手を使えない。そもそも最近は批判を恐れて別件逮捕をやらないと耳にしていたので、期待感はそれほどなかった。

 私は大阪のカメラマンのKクンを連れて前日には田辺に先乗りをして寺の下見を済ませていた。マスコミ嫌いの早貴被告は写真を撮らせないようにするだろうと予想ができたので、最初に隠し撮りで押さえてから近くで直撃撮影する作戦を立て、寺の周囲を歩きロング(望遠レンズのこと)で狙える場所を探した。

■周辺の高級ホテルもチェック

 法要は昼からだったので、前日に田辺市内で宿泊するのではないかと見当をつけて、周辺の高級ホテルの駐車場にドン・ファン名義で早貴被告が使用する白いベンツがないかもチェックした。若葉マークの頃から「運転の天才」と自称した早貴被告が東京から700キロを運転してくる可能性が高いと思ったからである。

 当日は曇り空から小雨が時折降ってくる陰鬱な天気だった。私たちは法要が始まる1時間ほど前から、寺の入り口が見えるところに止めた車内で談笑していた。入り口には黒い喪服を着用し周囲に目を配っている中年の男女2人がいて、整理をするための葬儀社の関係者ではないかと推理していた。30分ほどすると、いかにもマスコミ関係者らしき人影がちらほらとしだし、なかには一眼レフカメラを首から下げているファンキーなヤツもいた。これではまるで「どうぞ警戒をして下さい」と相手に知らせているようなものではないか。

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