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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

「M-1グランプリ」V2王者の令和ロマンには「実力・戦略・運」すべてが備わっている

公開日: 更新日:

 昨年末、20回目を迎えた漫才の大会「M-1グランプリ」でまた新たな記録が生まれた。高比良くるまと松井ケムリの2人から成る前年王者の令和ロマンが再び優勝を果たし、前人未到の連覇を達成したのだ。

 1万組前後の出場者が集まるこの大会で、激戦を勝ち抜いて優勝するというのは並大抵のことではない。それを2年続けて達成してしまったというのは、お笑い界の常識をはるかに超えた異常事態である。

 圧倒的な実力が求められるのはもちろん、場の空気をつかんで勝ち抜くための戦略や、くじで決められる出番順の運も必要とされる。恐ろしいことに、昨年の令和ロマンはそのすべてを備えていた。

 彼らが連覇に挑んだのは、ボケ担当のくるまが1度目の優勝に納得していなかったからだ。彼は大会そのものを盛り上げたかったのに、歯車が噛み合わず、不本意な形で優勝をしてしまったという思いがあった。だからこそ参加を決めたのだ。

 一度優勝した人はどういう芸風なのかも世間に知られているし、「勝っているのにまた出場するのか」と他の出場者やお笑いファンからは白い目で見られやすい。

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