ジョージ・マーティンがリバプールの悪ガキから学んだ平凡を受け入れない信条
特別編「5人目のビートルズ~ジョージ・マーティン」①
特別編として、俗に言う「5人目のビートルズ」を何人か紹介していきたい。まずは「5人目」の筆頭格であるジョージ・マーティン(以下「Gマーティン」)である。
名前はすでに、この連載で何度か出てきている。ビートルズのプロデューサーとして、ディレクターとして、さらにはプレーヤー(ピアノなど)としてかけがえのない存在だった、まさに「5人目」。
クラシックからコミックソングまで、幅広く柔軟な音楽知識を持っていたからこそ、リバプールの悪ガキによる音楽実験~音遊びに対して、的確なアドバイスが出来たのだ。もちろん、Gマーティンのアドバイスを興味津々に受け入れる悪ガキたちの柔軟性があってこそなのだが。
さて、彼についてのこれ以上の情報は、他に任せるとして、今回、次回と、ある一冊の本から、Gマーティンの名言を拾っていく。
新田和長『アーティスト伝説』(新潮社)という本がある。東芝EMIに始まり、ファンハウスとドリーミュージックのトップを歴任したニューミュージック、Jポップの顔役中の顔役による著作だ。その中に何と、新田がGマーティンに「弟子入り」するくだりがある。
ビートルズに憧れ、Gマーティンに憧れて、会いたいという手紙をしたため、自分が制作したレコードを彼に送り続ける。もちろん当初は断られるものの、すぐに打ち解け、金言を生で聞く幸運を得る。その中の1つ。本書の中の金言オブ金言。
──「ビートルズから学んだ最も重要なことは、平凡を受け入れないという信条だった。彼らはほとんどの人にとっては限界に思えるようなことでも常に超えようとした。不可能だと思われていた芸術に対して僕の目を開かせてくれたんだ」
素晴らしい……! そして私も、読みながら姿勢が自然にシャンッとするのを感じる。
「平凡を受け入れないという信条」と「不可能だと思われていた芸術」をしっかり書き残したいと思う。邦題へのイチャモンや東大阪時代の個人的思い出だけでなく。
もう1つ。これもいいぞ。ちなみにGマーティン、1974年の発言である。
──「今日のようなコンサートのモニタースピーカー・システムがあれば、ビートルズは解散しなくても済んだのだ」
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