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本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。2019年、「全裸監督」(太田出版/新潮文庫)が、山田孝之主演でNetflixで映像化配信され大きな話題に。最新刊に「花街アンダーグラウンド」(駒草出版)などがある。

(1)1981年春、東京赤坂の豪勢なマンションでカリスマ本人を目の前にした

公開日: 更新日:

 今年、生誕90年を迎えた大ヒットメーカーの漫画原作者・梶原一騎。その実弟で存在感を示した真樹日佐夫、そして「空手バカ一代」の主人公であり、極真空手を創設した大山倍達──3者は、作品を通じ、一言では言い尽くせない深い関係性を築いていた。その愛と反目をノンフィクション作家の本橋信宏氏が解き明かす。

  ◇  ◇  ◇

 1981年早春。

 赤坂某所、フリーランスの物書き稼業数カ月目の私は、池田草兵という手だれのルポライターに連れられて、豪勢なマンションの一室を訪れようとしていた。

 防音がしっかりしているために、都心の雑音が一切入ってこない。耳底の鼓動が大きくなる。分厚いドアが開き、スタッフが中に招き入れた。

 応接ソファに身を任せているのは、間違いなくあの人物だった。

 梶原一騎!

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