岩井千怜「不可能に近い」 日本に存在しない異次元グリーンの正体
前週の米ツアーは男女ともプレーオフでの決着でした。女子は、初日に9アンダーで単独首位に立った岩井千怜がその後はスコアを伸ばせず、勝みなみとともに12アンダー7位タイに終わりました。
岩井千は試合後、「今日は不可能に近いピン位置」と言いましたが、極端にグリーンの端や奥にあるだけなら、そんな表現にはならなかったでしょう。
会場はロサンゼルスの北西にあり、雨が少なく、風も強い。乾燥したグリーンは砲台で硬く、バミューダ芝のラフからショートアイアンで打っても、コーンという音とともに5メートルも前に跳ねていくホールもあります。フェアウエーからでもスピンがかからず、選手はピンをデッドに狙えないため、グリーン奥や左右の傾斜を利用して寄せていました。
難度が高いグリーンといえば、マスターズが行われるオーガスタナショナルGCです。「ガラス」に例えられる硬くて速いグリーンは、最終日の16番(170ヤード・パー3)に象徴されるように、ピンに寄せるには右サイドの傾斜を使う。選手にとっては腕の見せどころであり、長年見ているファンはボールが落ちた場所で、ピンに寄るか、寄らないか分かります。
240ヤードの4番パー3も、左手前の狭いエリアに乗っても、すべてグリーンの外へ転がり落ちる。マスターズのグリーンは極端ですが、米国では「大きな起伏」や「硬くて速い」グリーンは珍しくありません。
国内ではそのようなグリーンがなぜないのか。
多くのゴルフ場はビジターの来客数を重視しています。難しいグリーンはプレーヤーのスムーズな流れを妨げます。そもそも、湿度の高い国内に硬いグリーンは適しません。芝を短く刈って、毎日強い転圧をかければ、グリーンは壊れます。近年は酷暑ですから、これからの季節は夜間から早朝に散水を行い、午前中のグリーンはかなりソフトになります。
海外のトーナメントに話を戻せば、芝質が異なっても、硬く、速い、しかも起伏が激しいグリーンは避けられません。そこに風が吹きつけたらゴルフ場の「顔」はさらに険しくなります。
ストロークプレーでは、コース攻略がすべてです。常に最悪の状況を想定し、練習しなければなりません。
例えば、極端な2段グリーンなら、ピンが立つ段に乗せなければ、プロにとっては「パーオン」ではありませんが、100%同じ段に乗せることはできない。ピン位置が手前で奥に乗せてしまった時、反対にピンが上段の奥で手前に乗せた時のために、日頃からそのようなパッティングをやっておく。
逆目のラフやライの悪い所からのアプローチも同じ。難しい状況からの一打は、競ったところで成功しなければ意味がありません。
技術を磨くことは勝つための準備に他なりません。昨年他界したジャンボ(尾崎将司)は、習志野(千葉)に自宅があったとき、勝っても負けても、試合後は庭に造ったベントグリーンでアプローチやパットの練習をしていました。強かったわけです。



















