物静かな人がハンドル握るとなぜ人格豹変? 専門家に聞く
あおり運転で進路をふさぎ、死亡事故を引き起こした石橋和歩容疑者(25)は、これまでにも危険な運転を繰り返していたという。一般道を走行中に急減速して車の進路をふさいだり、追い越そうとした車を妨害したりと、日常的に交通トラブルを引き起こしていたそうだ。
父親はテレビ局の取材に対し、「息子はおとなしい性格で、なぜ事故を起こしたのか分からない」と困惑していた。身内の証言なので客観性に欠けるが、普段は物静かなのにハンドルを握ると凶暴になる人は少なからずいる。先日は、追い越されたことに腹を立て、相手の車を追いかけてミラーを割った男も、埼玉県警に逮捕された。マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」に登場する、バイクにまたがった途端に人格が変わる本田速人巡査のようなタイプは多いのだ。
「普段はおとなしい人ほど、シチュエーションが変わると豹変しやすいですね。酒を飲んで暴れるサラリーマンは、勤務中は静かで従順なタイプだったりします。自分を抑えているから、何かのきっかけで発散するわけです」(立正大名誉教授・齊藤勇氏=対人・社会心理学)