著者のコラム一覧
大岡玲作家

1958年生まれ、東京外大卒。「黄昏のストーム・シーディング」で三島由紀夫賞。「表層生活」で芥川賞。小説執筆の他に書評、美術評論、ワインエッセーなど幅広い分野で活躍。「本に訊け!」「男の読書術」「新編 ワインという物語 聖書、神話、文学をワインでよむ」などの著作がある。東京経済大教授。

【アナーキー】世の中に毒づき、「何もかも壊してみてえ」叫ぶ生への衝動

公開日: 更新日:

 葉山嘉樹という作家を知ったのは大学受験で浪人していた頃だから、40年以上昔の話だ。角川文庫が出していた全5巻「新青年傑作選集」の「怪奇編」に、葉山の短篇「死屍を食う男」が収められていたのを読んだのである。地方の中学校の寮を舞台にした猟奇譚で、物語としてはあっと驚くほどの趣向では… 

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