著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

人間は「自分はもう変わらないだろう」という錯覚に陥りやすい

公開日: 更新日:

「自分の性格や価値観はもう変わらない」。そんなことを思っている方は多いのではないでしょうか? ハーバード大学のギルバートを含む3人の研究者が2013年に発表した研究は、そんな考え方に一石を投じる結論を導き出しています。

 研究チームは、18歳から68歳までの1万9000人以上の人たちを集めた上で、被験者を2つのグループに分けて、次のような質問をしました。

①「過去振り返りグループ」には、10年前の自分の「性格」「価値観」「好み」はどうだったか? といったことを質問する。

②「未来予想グループ」には、10年後の自分の「性格」「価値観」「好み」はどうなると思うか? といったことを質問する。

 そして、性格診断テストに答えてもらったり、自分が大切にしている考え方をランク付けしたり、「好きな食べ物」「好きな音楽」「友人」などが10年前と違うか(あるいは10年後には違うものになっていると思うか)を答えてもらいました。

 その結果、10代の若者から60代の年配者まで、すべての年代で、「過去の10年間で自分は大きく変わった」と認めているのに対して、「これからの10年間では自分はあまり変わらないだろう」と予想したことが分かったというのです。20歳だろうが50歳だろうが、「今の自分が最終形態(完成形)であり、これからの人生で今の性格や好みがそのまま続く」と思い込む──こうしたマインドを、ギルバートらは「歴史の終わり錯覚(End-of-history illusion)」と名付けています。

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