身近でありながら知らなかった信号機のすべて 「信号機本」小島俊平ほか著
「信号機本」小島俊平ほか著
たまに従わない人も見かけるが、交通信号機は人間が唯一、素直に従う機械といえる。全国に21万基以上ある信号機が、24時間休みなく作動しているからこそ、人は安心して移動ができるのだ。
現在のような青黄赤3色が点灯する信号機が日本に設置されてから約100年が経つが、その間、信号機も時代と共に進化を遂げてきた。
さらに、信号機の設置・運用管理は地元の公安委員会が行うため、地方や地域によって微妙な違いがあるそうだ。
本書は、そんな信号機について、さまざまな視点から解説してくれるビジュアルテキスト。
交通信号機は、1868年にイギリスで生まれた。馬車で混雑する国会議事堂近くの交差点を歩行者が安全に横断できるようにするため設置された「セマフォ」と呼ばれる信号機がその始まりだという。6.7メートルの高さの鉄柱の先端部分に腕木と色付き灯油ランプ(赤緑の2色)がついた構造で、警察官がレバーを操作して切り替えていた。
灯油ランプはやがて電球になり、さらに手動操作での切り替えの際に、車や歩行者の挙動を見極めるのに苦労していたアメリカの警察官が黄色を加えた灯器を発明(1920年)。黄色が加わることで安全に信号を切り替えることが可能となり、警察官を必要としない自動信号機の普及が進んだ。
そんな歴史に始まり、各器材の時代ごとの変化や海外の信号機について、さらにスムーズな交通の流れを生み出す青信号の秒数やタイミングの制御などを交通工学に基づいて詳細に解説。
歩行者灯器へのLED導入時、画面の中に描かれた人物の体格が少し変化したなど、興味深いウンチクもたっぷり。
社会を支えるその役割の大きさに改めて気づかせてくれる一冊だ。 (一般社団法人交通工学研究会 3300円)



















