「年金1.9%増」に歓喜する中高年の理想と現実…手取りはわずか8割、老後2000万円では絶対に足りない
「2026年度から年金額が引き上げられ、国民年金は1.9%、厚生年金は2.1%のプラス改定になります」──この報道を聞いて、胸をなでおろした方は少なくないはず。長年「年金崩壊」が囁かれてきただけに、支給額アップという数字そのものは、一見すると明るいニュースに思えるでしょう。
ところが、この表面的な数字だけで安心するのは大間違い。手元に入るお金が増えたとしても、それ以上に世の中の物価が高騰しているのが現実だからです。
実際、2025年の年間物価上昇率は平均で3.2%を記録しました。年金が約2%増えたところで、モノやサービスの値段が3%以上も上がっていれば、お金の実質的な価値は目減りしている計算になります。
「受給額は増えたはずなのに、日々の買い物すら楽にならない」
そんな矛盾した事態が、すでに身の回りで起こり始めています。さらに多くの人が見落としているのが、税金や社会保険料の負担...。
ねんきん定期便に記載されている支給見込額を、そのまま老後の手取り収入だと勘違いしていないでしょうか。あの金額は、あくまで「税込み」の額面に過ぎないのです。
■手取りはわずか8割...額面の数字を信じると大火傷
高齢期に受け取る年金からも、所得税や住民税、さらには国民健康保険料や介護保険料が容赦なく口座から差し引かれます。
現役時代の所得などで差はありますが、実際に使える「手取り」は額面の75%〜80%程度にとどまるのが実態です。仮に額面が月20万円でも、実際の振込額は15万〜16万円ほど。ここからさらに10%の消費税がかかるわけですから、国の示す数字をそのまま鵜呑みにするのは危険と言わざるを得ません。
世間では、いまだに「老後2000万円問題」が定説のように語られています。マネー特集などでも、まずは2000万円を目標に貯蓄するよう推奨する論調が目立ちますが、それだけあれば逃げ切れると考えてしまうのは早計でしょう。
この試算には、今後の物価上昇が一切考慮されていないという大きな落とし穴があります。もし毎年1%ずつ物価が上がれば、95歳までの不足額は約3460万円に膨らみ、毎年2%の上昇なら約5410万円に達するという試算もあるほど。
従来の目安はデフレ時代の遺物であり、インフレが進むこれからの時代にはまったく通用しないのです。
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