コロナ禍「雇用調整助成金」不正受給は愛知県が断トツのなぜ? 倒産発生率は全国の26.3倍
コロナ禍の正常化から3年が経った。自粛、自粛で経済が停滞したあの3年間、政府は経済対策を打ちまくった。そのひとつが、雇用調整助成金の特例措置だ。雇用維持を支えた側面はあったものの、今年5月までに厚労省が公表した不正受給は累計1973件に達し、総額は635億4680万円に上る。東京商工リサーチ(TSR)が発表した〈2026年5月「雇用調整助成金不正受給公表企業」動向調査〉によると、モノづくりで知られる愛知県が突出。なぜなのか。
雇調金の財源は、事業主が負担する雇用保険料を積み立てた「雇用安定資金」。コロナ禍が猛威をふるった2020年4月から約3年間、助成率や上限額を引き上げる特例措置が実施された。
TSRの調査によると、都道府県別では愛知が断トツの301件。東京240件、大阪191件を大きく上回った。
■そそのかす業者がいる?
「公表された不正受給は偏在しています。例えば香川は1件のみで、岩手、山形、山口も5件に満たない。抜け道を指南し、そそのかす業者などがいる地域ほど不正が横行した可能性があります。厚労省が公表基準に悪質性を挙げていることからも、その傾向がうかがえる。不正受給の成功例が口コミなどで広がり、『赤信号、みんなで渡れば怖くない』となったのかもしれません。もっとも、不正受給を公表された企業の倒産発生率は7.39%。弊社調査の25年度の全国倒産発生率は0.28%ですから、26.3倍にも上ります。助成金返還や追徴金支払いなどで資金繰りに窮する上、信用失墜で取引先や金融機関の信用を失うため、事業継続が難しくなってしまう」(TSR情報本部の箕浦百合花氏)


















