患者さんの「やりたい」をかなえる支援とは…病気の治療だけが目的ではない
「先生、今度本屋に行くんです!」
定期訪問でお会いした80代の女性患者さんが、満面の笑みでそう話してくださいました。
この患者さんは大動脈解離の手術を受けた後、自宅で療養を続けています。退院当初は転倒を繰り返し、思うように歩けない時期もありましたが、毎日のリハビリを懸命に続けた結果、少しずつ屋外を歩けるまでに回復しました。
その日は、訪問リハビリのスタッフが歩行訓練を兼ねて、患者さんが昔から通っていたお気に入りの本屋さんへ連れて行ってくれる予定だというのです。
「昔から本が大好きなんです。小さな本屋なんだけど、とてもいいお店なの」
そう話す表情は本当にうれしそうで、私たちも「ぜひ楽しんできてください」とお伝えしました。
さらに患者さんは、「今度は板橋に住む友達にも会いに行きたい」と希望を話してくださいました。入院前から親しくしていた友人が心配してくれているそうです。まずは本屋へ行くことを目標にし、その次は友人との再会へ──。無理のない範囲で少しずつ行動範囲を広げることが、新たなリハビリの目標になりました。その後、歩行状態は順調に改善し、訪問看護を終了できるまでになりました。しかし、今度は蜂窩織炎による皮膚トラブルが生じ、ケアマネジャーから「皮膚科で診てもらえませんか」と相談を受けました。


















