楠木正成の末裔が激動の時代を生きる 「南朝 風姿花伝」周防柳著
「南朝 風姿花伝」周防柳著
1375年、ドサ回りの宮増座の次弥太(つぐやた)は、観阿弥大夫率いる結崎座が京で猿楽の興行を行う際、囃子方を務めることになった。ある日、東山の麓の草原で、水干を着た少年を見かける。少年は神楽の舞台跡で舞い始めるが、宙に飛び立とうとして前のめりになった。次弥太が身を固くしたとき、少年は「誰だ」と声をかけた。
次弥太は、少年が観阿弥大夫の跡取りの藤若(後の世阿弥)だったことに気づく。それ以来、次弥太は鼓を持って、藤若の稽古に付き合うようになる。次弥太は藤若の腰に抱きつき、腰を落とせと教えた。
楠木正成の末裔と、弱視というハンディをもつ能楽師が激動の時代を生きる芸道小説。 (角川春樹事務所 2750円)



















