著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

グルテン摂取で免疫が暴走する「セリアック病」が増えている?

公開日: 更新日:

「最近どうも胃腸の調子が悪い」「しっかり寝ているのに体がだるい」……。年のせいだとあきらめていませんか? その原因は、もしかしたら毎日のランチで食べているパン、ラーメン、パスタに含まれる「グルテン」にあるかもしれません。

 今回、知っていただきたいのは「セリアック病」です。これは単なる小麦アレルギーや、一時的な「グルテン不耐症」とは異なります。

 小麦や大麦に含まれるタンパク質であるグルテンを摂取することで免疫システムが暴走し、自らの小腸を傷つけてしまう遺伝性の自己免疫疾患です。

 欧米では約100人に1人といわれるほど一般的ですが、米食中心だった日本では馴染みが薄く、医療機関でも見過ごされがちでした。しかし、食の欧米化が進んだ現代では、日本でも“隠れセリアック病”の可能性がある人が増えていると指摘されています。

 主な症状は、慢性の下痢や腹痛、お腹の張り。それだけでなく、小腸が傷ついて栄養が吸収できなくなるため、原因不明の貧血、激しい疲労感、口内炎の頻発、体重減少、さらには気分の落ち込みや集中力の低下など、一見すると腸とは関係なさそうな症状として現れるケースもあります。そのため、長年原因が分からないまま過ごしている患者さんも少なくありません。

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