W杯を目眩ましに…高市政権が悪法連発、ドサクサ紛れで強行の悪辣

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 皇室典範改正では養子の息子に皇位継承権の騙し討ち。定数削減はサッカーのドサクサで審議入りを強行。そのくせ、疑惑をめぐる参考人招致や集中審議は知らんぷり。

 恐るべき国会愚弄内閣になぜ、世論は支持を与えるのか。

  ◇  ◇  ◇

 サッカーW杯北中米大会は開幕から2週間が経ち、決勝トーナメントに突入した。30日の未明、サポーターもにわかファンも大注目の日本対ブラジル戦がキックオフ。史上最多の5回優勝を誇る強豪に敗れはしたものの、大いに盛り上がった。決勝が行われる7月20日まで熱狂は続きそうだ。W杯は目眩ましとばかり、高市政権はデタラメ三昧。メチャクチャな国会運営をしている。戦後最悪と言っても過言ではないレベルだ。

 終盤国会は完全に空転している。与野党が溝を深める原因は、高市首相をめぐる一連の疑惑だ。昨秋の自民党総裁選や真冬の総選挙で高市の公設第1秘書がライバル潰しの中傷動画拡散に関わった疑い、暗号資産「サナエトークン」の発行にも関与した疑いである。

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 野党は衆参両院の予算委員会集中審議や、党首討論の拡大実施を求めているが、高市は「秘書の陳述書を提出する」として拒否。秘書の参考人招致も拒んでいる。共同通信は〈首相は怒り心頭で「受けない」と難色を示したという〉と報じた。国会軽視に激怒する野党が衆参両院で日程協議に応じない事態となっている。

 にもかかわらず、高市自民は、日本維新の会との連立合意に掲げた衆院議員定数削減法案と副首都法案の審議入りを強行。与党が先週、両法案の衆院特別委員会への付託を強引に決めたため、中道改革連合や立憲民主党など衆参両院の野党11党派は、定数削減法案の採決を認めない方針で一致した。定数削減法案は29日、大阪都構想を実現させる副首都法案は30日審議入りとなった。

■「愛子さまと結婚する人いない」発言

 よりあくどいのが皇室典範の改正案だ。皇族数の確保策に絞って議論し、「立法府の総意」として①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ②旧宮家の男系男子を皇族に迎える──をまとめたはずだった。ところが、養子の子孫が男性であれば皇位継承資格を持つこととしたのだ。森英介衆院議長(自民)が総意発表会見で「養子に男の子が生まれれば、皇位継承権を持つことになる」と口を滑らせ、野党側から猛批判されて釈明したのは何だったのか。立憲民主党の水岡代表が「これまで何ら議論しておらず、騙し討ちのようだ。政府への信頼は大きく損なわれた。姑息な手法だ」と語気を強めて非難したのも当然である。

 家父長制に固執し、世論と乖離した男系男子にこだわる自民の姿勢は、中曽根弘文憲法改正実現本部長の発言で露骨になった。28日の富山県内での講演で、世論の支持が高い「愛子天皇」を批判。言うに事欠いて「愛子さまというのはあり得ない」「愛子さまが天皇陛下になったらどうなるか。まず結婚する人もいない」「愛子さまも男性のお子さんを産まないといけないという、すごいプレッシャーもある」などと、ぺらぺらやったのだ。不敬極まりない発言が報じられた中曽根は29日、「今の状況では愛子さまが天皇陛下になられることはないと申し上げた」と言い訳。「愛子さまはマスコミなどで注目されている。こういう状況から見ると、ご結婚もなかなか難しくなるんじゃないかと個人的な心配の気持ちを述べた」と責任転嫁する始末だった。典範改正案を審議するための静謐な環境はどんどん後景に退いているが、鈴木幹事長は「自民の立場で言えば、30日に閣議決定したい」としゃあしゃあと言ってのけた。

 立法事実のない日本国旗損壊罪法案をめぐっては、衆院議院運営委員会の山口俊一委員長(自民)が30日の衆院本会議で採決すると職権で決定。法案を与党と共同提出した国民民主党と参政党は本会議を欠席する方針だという。先週の衆院内閣委員会では与党と国民民主、参政、チームみらいなどの賛成多数で可決されたから、異様な展開。衆院で3分の2を大きく上回る巨大与党であるのをいいことに「悪法」を連発し、ドサクサ紛れで強行採決に突っ込む悪辣なのである。

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