沖縄キャンプ・ハンセンで186人巨大クラスター 米軍基地発オミクロン株感染爆発の恐怖
米軍基地がオミクロン株の震源地になるのか──。沖縄県の玉城知事は20日、米軍基地「キャンプ・ハンセン」で発生した新型コロナウイルスのクラスターが計186人に上ったと明らかにした。日米地位協定により米軍は日本のコントロール外。「感染者数」以外の基地内の状況は見えないが、オミクロン株が流行している可能性が高まっている。
沖縄はコロナを抑え込んでいる。今月の累計感染者数は20日までに68人と1日平均わずか3.4人。元の賑わいが戻りつつある中での大規模クラスターに、県民はウイルスが基地外に拡散しないか気が気でない。
在沖海兵隊は「地域住民との接触は一切ない」と説明しているが、キャンプ・ハンセンの近隣住民は「そんなことはあり得ない。クラスター発表後も米兵は基地外にマスクなしで出歩いています」と答えた。
沖縄のオミクロン感染はすべてキャンプ・ハンセン関連だ。20日までに確認された4人のうち、3人がキャンプ・ハンセンに勤務し、1人はその夫。県内の医療機関で陽性が判明し、ゲノム解析によりオミクロン株が判明した。
「オミクロン株ははしか並みに感染するようです。感染の広がり方からして、キャンプ・ハンセン内でも流行しているとみていいでしょう」(医療ガバナンス研究所理事長・上昌広氏)
玉城知事も「基地内でオミクロンの感染が広がっている恐れがある」と危機感を示している。186人の基地内の感染者もゲノム解析でオミクロンかどうかを調べるべきだが、県はお手上げだ。
米軍は個人情報を盾に情報非公開
「米軍支配下の軍関係者は必要に応じて検体を本国に送付しゲノム解析を行っていると承知していますが、実際に実施しているかは分かりません。解析結果は個人情報を盾に県には教えてくれない。基地内でのオミクロン株の感染は推測することしかできないのです」(県コロナ対策本部)
昨年、感染者がほぼゼロだった沖縄は米軍基地のクラスターから真夏の感染爆発を招いた苦い経験がある。
「米兵が独立記念日前後にパーティーや大規模なバーベキュー大会を行い、感染が広がったと指摘されました。あの時と状況がそっくりです」(前出の近隣住民)
このままでは米軍基地からオミクロンの第6波が広がりかねない。
松野官房長官は20日、「引き続き、米側に対し、感染症拡大防止のための措置を一層徹底するように求めた」と語ったが、弱々しい。岸田首相がバイデン大統領に直訴するくらい本気でやらなきゃマズい。