保護者を悩ます“新小4生”の入塾問題…「我が子がSAPIXに通えば将来安泰」は親の見当違い?
コロナ禍が収束に近づきつつある中、今年4月入学の中学受験者数(首都圏)は、過去最高の6万6500人を記録。少子化にもかかわらず受験者数は8年連続で増加し、小学校卒業生数に占める受験率は22.6%と初めて22%を突破した(コアネット教育総合研究所「2023年首都圏中学入試総括レポート」から)
教育ジャーナリストの鳥居りんこ氏は、中学受験熱はコロナ禍の3年で一段と高まったと話す。
「かつての中学受験は、もともと地頭がいいお子さんか、富裕層のお子さんが大半を占めていました。2008年のリーマンショックで受験熱は一時落着き、少子化から受験産業の減退が囁かれていましたが、今や盛り返すどころかさらに伸びている状況です。日本経済の衰退を筆頭に、定員厳格化で大学がより狭き門になり、AIなどの技術によってホワイトカラーの仕事が見通せなくなっている中、将来不安から都市部を中心に受験する層がさらに広がっていると言えるでしょう」
3月の受験シーズン終了とともに新たに始まる新学期。受験勉強が本格的にスタートする新小学4年生の保護者が直面するのが、我が子をどの塾に通わせるかという問題だという。