著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「日本軍兵士たちの戦場体験」(37)内臓疾患、失明寸前という状態で兵隊検査に臨んだある国のA

公開日: 更新日:
徴兵検査(1931=昭和6=年4月16日、東京・牛込区役所、=日本電報通信社撮影)

 Aの話を続けよう。毎日酒を飲みながら外を走る。むろん内臓に疾患があるがごとき状況をつくるためである。さて検査当日である。むろん同じように酒を飲み、走る。そして検査会場の近くまでも走っていく。着替えて会場に入ると、心臓は早鐘を打ち、頭はまともに働かない。その国では兵隊検査の会場で… 

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