備蓄米「残り10万トン」で拭えない大災害時の不安…追加放出の背景には財務省の“提言”が?
先月下旬に決まった30万トンの備蓄米放出に続き、今月10日に発表されたのが20万トンの追加放出。2020年産米、21年産米あわせて20万トンを矢継ぎ早に放出することで、価格を急速に冷ますのが狙いだ。16日現在、スーパーの平均価格は5キロ税込み4176円と3週連続で低下したが、依然高止まりが続く中、追加放出が奏功するとは限らない。
「江藤前農相の時に放出された30万トンはおよそ75%が出荷済みですが、小泉農相の30万トンは精米が追いついておらず、店頭に出回っていません。精米能力は全大手卸売りをあわせても1日2000~3000トン程度。毎日精米したとしても、30万トンだと100日ほどかかります。行き渡るのは今年の新米シーズンが始まる頃でしょう。小泉農相の前回分が出回った結果を確認し、価格が反転したのを見計らってから追加放出してもよかったように思います」(米流通評論家・常本泰志氏)
小泉進次郎農相の追加放出で、100万トンが適正とされる備蓄米は残り10万トンに。心配されるのが大規模な自然災害の発生のほか、25年産米が不作の場合だ。