佐土原図書館(宮崎県宮崎市)いにしえの城を彷彿とさせる白壁瓦屋根
戦国時代末期、関ケ原の「島津の退き口」でしんがりを務め、壮烈な戦死を遂げた勇将・島津豊久。彼が城主を務めていた佐土原城。江戸時代には佐土原藩の城下町として栄えた。そんな佐土原町の高台にあるのが、佐土原図書館だ。
歴史的雰囲気を残すため、白壁・瓦屋根のたたずまい。開館21年だが、その風格はいにしえの城を彷彿させる。
司書の森京子さんが言う。
「国内の図書館は日本十進分類法(NDC)という本の分け方が一般的ですが、佐土原図書館では独自のジャンル分けで本が並べられています。例えば育児について調べたいと思ったとき、離乳食や健康、赤ちゃんの命名など、内容によって必要な本は異なりますよね? NDCに従えば、それらはすべて別々の棚に置かれますが、佐土原図書館では『育児』というジャンルがあり、関連する本を全て同じ棚に並べています。町の本屋さんをイメージするとわかりやすいかと。市民の皆さまが利用しやすい、本を手に取りやすい配置を心がけています」