「復讐の準備が整いました」桜井美奈著
「復讐の準備が整いました」桜井美奈著
高校2年生の小野川葵は漫画研究会のたったひとりの部員で、部長である。ある日、その漫研に新入生の由利が入部した。絵はうまくないと言っていたが、タブレットで描いた絵を見ると、葵よりはるかにうまい。「凄い! プロみたい」。それは扉絵のようで、由利は漫画は描かないと言った。ところが漫研の顧問の教師が、由利が中学生の時に漫画雑誌の投稿で奨励賞を取っていることに気づく。由利は自分に気を使って嘘をついたのかと思うと、葵はかえってムカついた。そんな時、歌舞伎町のビルから女子高生が転落するという事故が起きる。
才能のある後輩への嫉妬と羨望を描いたミステリー。
(朝日新聞出版 1760円)