親の施設入所を決める前にチェックしたい「面会制限」事情
世界中をパニックに陥れた新型コロナウイルス感染症は人々の生活を一変させた。日本でもソーシャルディスタンスやリモートといった言葉が飛び交い、マスク不足や医療崩壊、飲食店の休業が長く続き、不安な日々を過ごしていたことは記憶に新しい。
光明が見えたのは2023年5月、WHOが公衆衛生上の緊急事態を解除した頃だ。日本もこのウイルスを2類相当から5類(感染症)へと評価し直し、今では満員電車の復活や訪日外国人が急増。日常が戻ってきたように思えるが、簡単に手綱を緩めるわけにいかない現場がある。
そのひとつが介護施設だ。入所者はいずれも高齢で重症化リスクが高い。ひとりでも感染症にかかれば施設全体に広がる恐れがある。日頃接する職員の健康チェックはもちろん、家族の面会にもさまざまな制限が設けられている。
筆者の親が入所している施設を例にすると、コロナ禍では対面がかなわずオンラインのみ、予約制で月に2回まで、1回10分という制約付き。解除後にようやく対面が可能になっても、面会できるのは1回につき2人まで。検温のうえ不織布マスク必須という形で、ビニール製カーテン越しでしか認められなかった。